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不動産売却の手続き一覧(全16件)

不動産売却は、査定・媒介契約から売買契約・決済・引渡しへと進みます。法律上の締切がある手続きはほとんどない代わりに、契約から決済までの段取りが価格と引渡し時期を左右します。売却益が出た場合の譲渡所得の確定申告と、3,000万円特別控除など特例の検討は翌年の申告期に行います。

期限の日数は「売却予定日」を起点とした代表的な数え方です。正確な起算日・期限は法令の定めや個別の事情によって異なります。土日祝・年末年始は窓口が閉まっている場合があります。上の質問に答えると、必要な手続きだけに絞り込んだプランが具体的な日付つきで表示されます。

売却決定5件
  1. 不動産の査定依頼

    窓口: 不動産会社(複数社に依頼推奨) / 売却予定日の約90日前までが目安

    必要なもの: 登記事項証明書(登記簿謄本)、固定資産税納税通知書、購入時の売買契約書(取得費の確認用)、物件の間取り図・パンフレット

    受け取るもの: 査定書(不動産会社ごとに査定額が異なる)

    複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額とその根拠を比較してください。査定額が高い=良い会社ではありません。相場とかけ離れた高額査定は売れ残りのリスクがあります。購入時の売買契約書は譲渡所得の計算(取得費)に必要なので、この段階で探しておきましょう

  2. 不動産会社との媒介契約の締結

    窓口: 不動産会社 / 売却予定日の約75日前までが目安

    必要なもの: 本人確認書類(運転免許証等)、登記事項証明書、固定資産税納税通知書、印鑑

    受け取るもの: 媒介契約書

    媒介契約には3種類あります。①一般媒介(複数社に依頼可・報告義務なし)②専任媒介(1社のみ・2週間に1回報告・自己発見取引可)③専属専任媒介(1社のみ・1週間に1回報告・自己発見取引不可)。契約期間は最長3ヶ月(自動更新なし)。仲介手数料の上限は売買価格×3%+6万円+消費税です

    根拠: 宅地建物取引業法 第34条の2(媒介契約)

  3. 建物状況調査(インスペクション)該当する場合

    窓口: 建築士事務所(既存住宅状況調査技術者) / 売却予定日の約60日前までが目安

    必要なもの: 建物の図面(あれば)、建築確認済証・検査済証(あれば)

    受け取るもの: 建物状況調査報告書

    2018年の宅建業法改正により、媒介契約時にインスペクションの斡旋の有無を記載し、重要事項説明で調査結果を説明することが義務付けられました。調査自体は任意ですが、実施すると買主の安心材料になり、売却がスムーズに進む傾向があります。調査は国土交通省の講習を修了した建築士が行います

    根拠: 宅地建物取引業法 第34条の2第1項第4号(媒介契約書への記載義務)

  4. 測量・境界確定該当する場合

    窓口: 土地家屋調査士 / 売却予定日の約60日前までが目安

    必要なもの: 登記事項証明書、地積測量図(法務局で取得可)、固定資産税納税通知書

    受け取るもの: 確定測量図・境界確認書

    戸建て・土地の売却では境界確定が事実上必須です。隣接地の所有者全員と境界について合意し、境界確認書に署名をもらう必要があります。隣接地の所有者が不明・海外在住の場合は時間がかかるため、早めに着手してください。マンションの場合は通常不要です

    根拠: 不動産登記法 第14条(地図)、土地家屋調査士法 第3条

  5. ハウスクリーニング・内覧準備該当する場合

    窓口: ハウスクリーニング業者 / 売却予定日の約45日前までが目安

    第一印象は売却価格に影響します。水回り(キッチン・浴室・トイレ)のクリーニングは特に効果的です。大規模なリフォームは費用対効果が低いことが多いため、不動産会社と相談してから判断してください。居住中の場合は、内覧時に生活感を抑える工夫(整理整頓・照明・換気)も重要です

売買契約1件
  1. 売買契約の締結・手付金受領

    窓口: 不動産会社の事務所 / 売却予定日の約30日前までが目安

    必要なもの: 登記識別情報通知(権利証)、実印、印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)、固定資産税納税通知書・固定資産評価証明書、本人確認書類、建築確認済証・検査済証(建物の場合)、収入印紙(売買価格に応じた額)、境界確認書・確定測量図(土地・戸建ての場合)、管理規約・修繕積立金の明細(マンションの場合)

    受け取るもの: 売買契約書・手付金

    売主として、重要事項説明書の内容(物件の瑕疵・設備の状況・契約不適合責任の範囲等)を必ず確認してください。手付金は売買価格の5〜10%が一般的です。契約書には印紙税がかかります(売買価格に応じて200円〜48万円、軽減措置あり)。住宅ローン特約がある場合、買主のローン審査が通らないと契約が白紙解除される可能性があります

    根拠: 宅地建物取引業法 第35条(重要事項説明)・第37条(契約書面)、民法 第555条(売買)

決済準備4件
  1. 住宅ローンの一括返済手続き該当する場合

    窓口: 住宅ローンを借りている金融機関 / 売却予定日の約14日前までが目安

    必要なもの: 本人確認書類、売買契約書の写し、ローン返済予定表

    受け取るもの: 抵当権抹消に必要な書類一式(弁済証書・委任状・登記識別情報等)

    売買契約が成立したら、金融機関に一括返済の申し出をします。決済日に売却代金で残債を完済し、同日中に抵当権抹消登記を行うのが一般的です。抵当権が抹消されないと買主に所有権を移転できません。金融機関への連絡は決済の2〜3週間前までに行ってください。全額繰上返済には手数料がかかる場合があります

  2. 抵当権抹消登記該当する場合

    窓口: 物件所在地を管轄する法務局(司法書士が代理申請) / 売却予定日当日が目安

    必要なもの: 抵当権抹消登記申請書、金融機関からの弁済証書(解除証書)、金融機関からの委任状、登記識別情報通知、登録免許税(不動産1筆あたり1,000円)

    受け取るもの: 抵当権抹消登記完了後の登記事項証明書

    抵当権の抹消は売却の大前提です。決済日に売却代金でローンを完済し、同日中に司法書士が法務局に抹消登記を申請します。所有権移転登記と同時に行うのが一般的です。土地と建物それぞれに登録免許税がかかります(例: 土地1筆+建物1棟 = 2,000円)

    根拠: 不動産登記法 第16条(申請主義)

  3. 引越し・退去該当する場合

    窓口: 引越し業者・旧居 / 売却予定日の約7日前までが目安

    引渡し日までに退去を完了させる必要があります。退去後の残置物は買主とのトラブルの原因になるため、全て撤去してください。引越し日は引渡し日の前日までに完了させるか、引渡し日の午前中に行い午後に決済する段取りが一般的です

  4. ライフラインの停止・名義変更該当する場合

    窓口: 各事業者のWebサイト・電話 / 売却予定日の約1日前までが目安

    必要なもの: 各事業者のお客様番号(検針票等に記載)

    以下のライフラインの停止・名義変更を忘れずに行ってください。 ・電気(電力会社に連絡) ・ガス(閉栓の立会いが必要な場合あり) ・水道(市区町村の水道局に連絡) ・インターネット回線(解約・移転) ・NHK(住所変更または解約) 引渡し日の前日または当日に停止するのが一般的です

決済・引渡し1件
  1. 残金決済・物件引渡し

    窓口: 買主の住宅ローン金融機関(またはその他の指定場所) / 売却予定日当日が目安

    必要なもの: 登記識別情報通知(権利証)、実印、印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)、住民票、固定資産評価証明書(最新年度)、本人確認書類、鍵一式(建物の場合)、建築関連書類(建築確認済証・検査済証・設計図書等)、設備の取扱説明書・保証書(あれば)

    受け取るもの: 売買代金(残金)・固定資産税精算金

    決済日に、買主から売買代金の残金を受け取り、鍵と物件を引き渡します。同日に①抵当権抹消登記(ローンがある場合)②所有権移転登記を司法書士に委任します。固定資産税・都市計画税の日割り精算も行います(起算日は関東1/1、関西4/1が一般的)。仲介手数料の残金(契約時に半額、決済時に半額が多い)も支払います

    根拠: 民法 第555条(売買)、宅地建物取引業法 第46条(報酬の額)

引渡し完了3件
  1. 火災保険の解約・返戻金請求該当する場合

    窓口: 保険会社・保険代理店 / 売却予定日から7日以内が目安

    必要なもの: 保険証券、本人確認書類、解約届出書(保険会社所定の書式)

    受け取るもの: 解約返戻金(未経過期間分の保険料が返金される場合がある)

    物件の引渡しが完了したら、火災保険を解約してください。保険期間の残りに応じて返戻金を受け取れます。解約手続きを忘れると保険料を余分に支払い続けることになるため、引渡し後速やかに連絡してください。地震保険に加入している場合は併せて解約します

    根拠: 保険法 第27条(損害保険契約の解除)

  2. 管理組合への届出該当する場合

    窓口: マンションの管理組合・管理会社 / 売却予定日から7日以内が目安

    必要なもの: 組合員変更届(管理組合所定の書式)、売買契約書の写し

    マンションの売却後、管理組合に所有者が変わったことを届け出ます。管理費・修繕積立金の引落し口座の変更、駐車場・駐輪場の解約なども必要です。実際の届出は不動産会社が代行することが多いですが、完了確認は自分で行ってください

    根拠: 建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第30条(規約事項)、マンション標準管理規約 第31条(届出義務)

  3. 住所変更等の手続き該当する場合

    窓口: 市区町村役場・各機関 / 売却予定日から14日以内が目安

    必要なもの: 本人確認書類、転出証明書(別の市区町村に転出する場合)

    売却に伴い転居する場合、転入届は転入日から14日以内に届出が必要です。以下の住所変更も忘れずに行ってください。 ・転出届・転入届(市区町村役場) ・運転免許証(警察署・免許センター) ・銀行口座・クレジットカード ・郵便局の転居届(旧住所への郵便物を1年間転送) ・勤務先への届出 ・マイナンバーカードの住所変更

    根拠: 住民基本台帳法 第22条(転入届)

確定申告2件
  1. 譲渡所得の確定申告

    窓口: 住所地を管轄する税務署 または e-Tax / 売却予定日から300日以内が目安

    必要なもの: 確定申告書(第三表:分離課税用)、譲渡所得の内訳書、売買契約書の写し(売却時・購入時の両方)、仲介手数料等の領収書、登記事項証明書、本人確認書類

    受け取るもの: 所得税の納付(または還付)

    不動産を売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告が必要です。売却益が出なかった場合でも、特別控除・軽減税率・損益通算の特例を受けるには確定申告が必要です。 【譲渡所得の計算】 収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額 = 課税譲渡所得 取得費が不明の場合は、収入金額の5%を概算取得費として計算できます(ただし税額が高くなりがちです)。購入時の売買契約書は必ず保管してください

    根拠: 所得税法 第33条(譲渡所得)・第120条(確定申告)

  2. 譲渡損失の損益通算・繰越控除該当する場合

    窓口: 住所地を管轄する税務署 または e-Tax / 売却予定日から300日以内が目安

    必要なもの: 確定申告書、居住用財産の譲渡損失の金額の明細書、売買契約書の写し(売却時・購入時)、登記事項証明書、住宅ローンの残高証明書(該当する場合)

    受け取るもの: 所得税の還付(給与所得等との損益通算による)

    マイホームを売却して損失が出た場合、一定の要件を満たせば他の所得(給与所得等)と損益通算でき、控除しきれない損失は翌年以降3年間繰り越せます。確定申告が必要です。 要件:①居住用財産であること ②所有期間が5年超 ③買換えの場合は新居の住宅ローンがあること(買換えなしの場合は売却物件のローン残高が売却額を超えること)。該当する場合は所得税・住民税が大幅に軽減される可能性があります

    根拠: 租税特別措置法 第41条の5(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)・第41条の5の2(特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除)

不動産売却のよくある質問

仲介手数料とは?

仲介手数料は宅地建物取引業法第46条で上限額が定められています。売買価格が400万円を超える場合の上限は「売買価格×3%+6万円(税別)」です。例えば3,000万円の物件では96万円+消費税=105.6万円が上限です。これは上限であり、交渉により減額される場合もあります。支払い時期は契約時に半額、決済時に残額が一般的です。売主・買主の双方がそれぞれの仲介会社に支払います。

根拠: 宅地建物取引業法 第46条

媒介契約とは?

媒介契約は、不動産の売却を不動産会社に依頼する契約です。3種類あります。①一般媒介:複数社に依頼可、報告義務なし。②専任媒介:1社のみ、2週間に1回報告義務、レインズ登録7営業日以内、自己発見取引(自分で買主を見つけること)可。③専属専任媒介:1社のみ、1週間に1回報告義務、レインズ登録5営業日以内、自己発見取引不可。契約期間は最長3ヶ月です。競争原理を働かせたいなら一般媒介、手厚いサポートを求めるなら専任媒介が一般的です。

根拠: 宅地建物取引業法 第34条の2

譲渡所得とは?

譲渡所得の計算式は「収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額 = 課税譲渡所得」です。取得費には購入代金・仲介手数料・登記費用・リフォーム費用等が含まれます。取得費が不明な場合は収入金額の5%を概算取得費にできます。譲渡費用には仲介手数料・印紙税・測量費等が含まれます。税率は、所有期間5年以下(短期)が約39.63%、5年超(長期)が約20.315%です。所有期間は売却年の1月1日時点で判定します。

根拠: 所得税法 第33条、第38条

3000万円とは?

居住用財産の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条)は、マイホームを売却した場合に譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。主な要件は、①自分が住んでいる家屋を売るか、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、②売手と買手が親子や夫婦など特別の関係でないこと、③前年・前々年にこの特例を受けていないこと。所有期間の長短は問いません。適用には確定申告が必要で、要件を満たすかは税務署や税理士にご確認ください。

根拠: 租税特別措置法 第35条

短期譲渡とは?

不動産の譲渡所得は所有期間によって税率が大きく異なります。所有期間は売却した年の1月1日時点で判定します(実際の所有年数ではない点に注意)。【短期譲渡所得(5年以下)】所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%。【長期譲渡所得(5年超)】所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%。例えば2021年4月に取得した不動産は、2027年1月1日以降に売却すれば長期扱いになります。

根拠: 租税特別措置法 第32条(短期)・第31条(長期)

買換え特例とは?

特定の居住用財産の買換え特例(租税特別措置法第36条の2)は、マイホームを売却して新しいマイホームを購入した場合に利用できる制度です。3,000万円特別控除との併用はできないため、どちらが適しているかは個別の状況によって異なります。税理士や税務署にご相談ください。※この特例は期限付き措置のため、最新の延長状況もあわせてご確認ください。

根拠: 租税特別措置法 第36条の2

抵当権とは?

抵当権抹消登記は、住宅ローンを完済した後に物件に設定されている抵当権を登記簿から消す手続きです。費用は登録免許税が不動産1筆あたり1,000円(例:土地1筆+建物1棟=2,000円)+司法書士報酬1〜2万円程度です。売却の場合は決済日に売却代金でローンを完済し、同日中に司法書士が法務局に申請します。抵当権が残ったままでは買主に所有権を移転できないため、売却の大前提となる手続きです。

根拠: 不動産登記法 第16条

印紙税とは?

不動産売買契約書にかかる印紙税額(軽減措置適用後)は以下の通りです。 ・100万円超〜500万円以下:1,000円 ・500万円超〜1,000万円以下:5,000円 ・1,000万円超〜5,000万円以下:1万円 ・5,000万円超〜1億円以下:3万円 ・1億円超〜5億円以下:6万円 ※2027年3月31日までの軽減税率です。電子契約の場合は印紙税がかかりません。売主・買主それぞれの契約書に貼付が必要です。

根拠: 印紙税法 別表第1、租税特別措置法 第91条

測量とは?

確定測量は、隣接する全ての土地所有者と境界を確認・合意し、測量図を作成する手続きです。戸建て・土地の売却では事実上必須です。費用は30〜80万円程度で、土地の広さ・形状・隣接地の数で変わります。期間は1〜3ヶ月程度。隣接地の所有者が行方不明・海外在住の場合はさらに時間がかかります。土地家屋調査士に依頼します。なお、マンションの場合は管理組合が境界を管理しているため、通常は個人での測量は不要です。

根拠: 不動産登記法 第14条、土地家屋調査士法 第3条

インスペクションとは?

建物状況調査(インスペクション)は、建物の基礎・外壁・屋根・床・柱等の構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分の劣化・不具合を、専門の建築士が調査するものです。2018年の宅建業法改正により、媒介契約時に斡旋の有無を記載し、重要事項説明で調査結果を説明することが義務付けられました。調査自体は任意ですが、費用は5〜10万円程度。実施すると買主の安心材料になり、売却がスムーズに進む傾向があります。

根拠: 宅地建物取引業法 第34条の2第1項第4号

関連情報

このページは制度の一般的な情報をまとめたものです。個別の判断が必要な場合は、弁護士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家にご相談ください。手続き情報は e-Gov 法令検索・各省庁の公式サイトに基づいて作成し、根拠条文を併記しています。