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破産・債務整理の手続き一覧(全16件)

借金の整理には自己破産・個人再生・任意整理という進め方の異なる3つの方法があり、どれが適するかは収入・財産・借入の状況によって変わるため、弁護士・司法書士への相談が出発点になります。受任通知の送付で督促が止まるのはどの方法でも共通です。相談準備から手続き完了後の生活再建まで16件をまとめました。

期限の日数は「申立て予定日」を起点とした代表的な数え方です。正確な起算日・期限は法令の定めや個別の事情によって異なります。土日祝・年末年始は窓口が閉まっている場合があります。上の質問に答えると、必要な手続きだけに絞り込んだプランが具体的な日付つきで表示されます。

相談開始2件
  1. 弁護士・司法書士への相談

    窓口: 弁護士事務所・司法書士事務所・法テラス・弁護士会の法律相談センター / 申立て予定日の約60日前までが目安

    必要なもの: 債権者一覧(借入先・金額・借入時期のメモ)、収入がわかる資料(給与明細・源泉徴収票等)、本人確認書類

    最初に弁護士に相談して最適な債務整理の方法を判断してもらいます。法テラスでは収入要件(単身月収182,000円以下)を満たせば無料で3回まで相談可能。弁護士費用の立替制度(無利息分割返済)もあります

  2. 信用情報の開示請求

    窓口: CIC・JICC・KSC(全銀協)の各信用情報機関 / 申立て予定日の約50日前までが目安

    必要なもの: 本人確認書類(運転免許証等2点)、開示申込書

    受け取るもの: 信用情報開示報告書

    CIC・JICC・KSCの3機関すべてに開示請求し、正確な債務額と債権者を把握します。弁護士に依頼する場合は弁護士が代行することもあります。過払い金の有無も確認できます

    根拠: 個人情報保護法 第33条(保有個人データの開示)

受任通知発送2件
  1. 受任通知の送付(督促停止)該当する場合

    窓口: 弁護士・司法書士が各債権者に送付 / 申立て予定日の約45日前までが目安

    弁護士が受任通知を送ると、貸金業者からの督促・取立てが法律上停止します。精神的な負担が大きく軽減されるため、できるだけ早く弁護士に依頼することが重要です

    根拠: 貸金業法 第21条1項9号(取立て行為の規制)

  2. 債権調査・取引履歴の取得

    窓口: 弁護士が各債権者に請求 / 申立て予定日の約30日前までが目安

    必要なもの: 信用情報開示報告書

    受け取るもの: 債権者一覧表(正確な残高確認済み)

    各債権者に取引履歴の開示を求め、正確な債務額を確定します。利息制限法の上限金利(15〜20%)で引き直し計算を行い、過払い金があれば返還請求します

申立て3件
  1. 自己破産の申立て該当する場合

    窓口: 債務者の住所地を管轄する地方裁判所 / 申立て予定日当日が目安

    必要なもの: 破産手続開始・免責許可申立書、債権者一覧表、財産目録、収入・支出に関する書面(家計簿2ヶ月分)、源泉徴収票または確定申告書(直近2年分)、住民票、預貯金通帳のコピー(全口座2年分)、不動産登記簿謄本(不動産所有の場合)

    受け取るもの: 事件番号(受付票)

    債務者自身が申し立てた場合、免責許可の申立ても同時にしたものとみなされます(破産法第248条4項)。申立書類の準備に2〜4週間かかるため、弁護士と早めに準備を進めてください

    根拠: 破産法 第18条(申立権者)、第20条(方式)、第248条4項(免責のみなし申立て)

  2. 個人再生の申立て該当する場合

    窓口: 債務者の住所地を管轄する地方裁判所 / 申立て予定日当日が目安

    必要なもの: 再生手続開始申立書、債権者一覧表、財産目録、収入・支出に関する書面(家計簿2ヶ月分)、源泉徴収票または確定申告書(直近2年分)、住民票、預貯金通帳のコピー(全口座2年分)、不動産登記簿謄本(住宅ローンがある場合)

    受け取るもの: 事件番号(受付票)

    住宅ローン除く無担保債務が5,000万円以下で、将来の安定収入が見込める場合に利用可能。小規模個人再生と給与所得者等再生の2種類があり、弁護士と相談して選択します

    根拠: 民事再生法 第21条(申立て)、第221条(小規模個人再生の要件)

  3. 任意整理の和解交渉該当する場合

    窓口: 弁護士が各債権者と直接交渉(裁判所不要) / 申立て予定日当日が目安

    必要なもの: 債権者一覧表、取引履歴

    裁判所を通さず弁護士が債権者と直接交渉します。将来利息のカット、返済期間の延長(3〜5年の分割払い)を交渉。元本は原則そのまま残りますが、過払い金があれば元本も減額可能

    根拠: 利息制限法 第1条(上限金利)

開始決定2件
  1. 破産手続開始決定該当する場合

    窓口: 地方裁判所 / 申立て予定日から14日以内が目安

    受け取るもの: 破産手続開始決定書

    財産がほとんどない場合は「同時廃止」となり、破産管財人は選任されず手続きが簡略化されます。一定の財産がある場合は「管財事件」となり、管財人が財産を調査・換価します。管財事件では債権者集会への出席が必要です

    根拠: 破産法 第30条(破産手続開始の決定)、第216条(同時廃止)

  2. 再生手続開始決定該当する場合

    窓口: 地方裁判所 / 申立て予定日から28日以内が目安

    受け取るもの: 再生手続開始決定書

    再生手続開始決定後、債権届出期間が設定されます。この間に再生計画案の準備を進めます。個人再生委員が選任される場合は、家計の収支報告書の提出を毎月求められます

    根拠: 民事再生法 第33条(再生手続開始の決定)

免責決定2件
  1. 免責審尋該当する場合

    窓口: 地方裁判所 / 申立て予定日から75日以内が目安

    裁判官から破産に至った経緯や反省の有無について質問されます。同時廃止の場合は集団審尋(複数の申立人と同時に行う)が一般的で、個別に質問されることは少ないです。弁護士が同席します

    根拠: 破産法 第251条(免責についての意見申述)、第252条(免責許可の決定の要件)

  2. 免責許可決定該当する場合

    窓口: 地方裁判所 / 申立て予定日から90日以内が目安

    受け取るもの: 免責許可決定書

    免責許可決定が確定すると、税金・養育費等の非免責債権(破産法第253条)を除くすべての債務の支払義務がなくなります。確定と同時に復権し、資格制限も解除されます。官報に公告されます

    根拠: 破産法 第252条(免責許可の決定の要件)、第255条(復権)

再生計画案1件
  1. 再生計画案の作成・提出該当する場合

    窓口: 地方裁判所 / 申立て予定日から120日以内が目安

    必要なもの: 再生計画案、弁済計画表、家計の収支報告書

    再生計画案には弁済総額・弁済期間・弁済方法を記載します。弁済期間は原則3年(最長5年)。最低弁済額は債務額によって異なります(100〜500万円→100万円、500〜1,500万円→5分の1等)。清算価値保障原則により、破産した場合の配当額を下回ることはできません

    根拠: 民事再生法 第163条(再生計画案の提出)、第229条(弁済期間3〜5年)、第231条(最低弁済額)

認可決定1件
  1. 再生計画認可決定該当する場合

    窓口: 地方裁判所 / 申立て予定日から180日以内が目安

    受け取るもの: 再生計画認可決定書

    小規模個人再生では債権者の書面決議があり、不同意の回答が過半数未満かつ議決権額の2分の1以下であれば可決。給与所得者等再生は債権者の同意は不要ですが、可処分所得2年分以上の弁済が必要です

    根拠: 民事再生法 第231条(再生計画の認可又は不認可の決定)、第230条6項(書面決議の可決要件)

和解成立1件
  1. 和解契約の締結該当する場合

    窓口: 弁護士事務所(各債権者と個別に締結) / 申立て予定日から120日以内が目安

    必要なもの: 和解契約書

    受け取るもの: 和解契約書(各債権者分)

    各債権者と個別に和解契約を締結します。将来利息のカット、返済期間の延長(通常3〜5年の分割払い)が主な内容。全債権者と和解が成立するまで時間がかかることがあります

    根拠: 民法 第695条(和解)

弁済開始1件
  1. 再生計画・和解に基づく弁済開始該当する場合

    窓口: 各債権者への振込 / 申立て予定日から210日以内が目安

    認可決定・和解成立後に弁済を開始します。3ヶ月に1回以上(個人再生)の返済を計画通りに続けることが重要です。弁済を怠ると再生計画が取り消される場合があります

    根拠: 民事再生法 第229条2項(弁済期間)

復権1件
  1. 信用情報の回復確認

    窓口: CIC・JICC・KSC(各信用情報機関) / 申立て予定日から1826日以内が目安

    必要なもの: 本人確認書類、開示申込書

    受け取るもの: 信用情報開示報告書(事故情報削除確認)

    事故情報の登録期間はCIC・JICCが契約終了後5年、KSC(全銀協)は官報公告から7年です。登録期間経過後に開示請求して事故情報が削除されていることを確認してから、クレジットカードやローンの申込みを検討してください

破産・債務整理のよくある質問

自己破産とは?

自己破産とは、裁判所に申立てをして債務(借金)の支払義務を免除してもらう制度です。破産法に基づき、支払不能の状態にある場合に利用できます。免責許可決定が確定すると、税金・養育費等の非免責債権を除くすべての借金がゼロになります。ただし、一定以上の財産(99万円超の現金等)は処分される場合があります。

個人再生とは?

個人再生とは、民事再生法に基づき、裁判所に再生計画を提出して債務を大幅に減額してもらう制度です。住宅ローン除く無担保債務が5,000万円以下で、将来の安定収入がある場合に利用可能。債務額に応じて最低弁済額(100万〜債務の5分の1等)まで減額され、原則3年(最長5年)で分割返済します。住宅資金特別条項を使えば自宅を残せます。

任意整理とは?

任意整理とは、弁護士が裁判所を通さずに債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長を合意する手続きです。元本は原則そのまま残りますが、過払い金があれば元本も減額されます。裁判所を通さないため手続きが簡単で費用も安く、特定の債権者だけを選んで整理することも可能です。

法テラスとは?

法テラス(日本司法支援センター)は、収入・資産が一定以下の方を対象に無料法律相談(同一問題3回まで・1回30分)と弁護士費用の立替(無利息分割返済)を行っています。収入要件は単身で手取り月額182,000円以下(大都市200,200円以下)、資産要件は単身で180万円以下。生活保護受給者は立替金の償還免除も可能。電話: 0570-078374。

ブラックリストとは?

債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録され、新たな借入やクレジットカードの作成ができなくなります。登録期間はCIC・JICCが契約終了後5年、KSC(全銀協)は官報掲載から7年です。自己破産は最長7年、任意整理は完済後5年が目安です。登録期間経過後に開示請求して事故情報が消えていることを確認してから申込みましょう。

免責不許可事由とは?

破産法第252条に11項目の免責不許可事由があります。主なものは、①浪費・ギャンブルによる借金、②財産の隠匿・損壊、③特定の債権者への偏頗弁済、④7年以内の再度の免責。ただし、これらに該当しても裁判所の判断で免責が許可される「裁量免責」(第252条2項)があり、実務上は反省と更生の意欲が認められれば多くのケースで免責されます。

非免責債権とは?

自己破産で免責されても支払義務が残る「非免責債権」があります(破産法第253条)。主なものは、①税金・社会保険料、②悪意の不法行為による損害賠償、③故意・重過失による生命・身体への損害賠償、④養育費・婚姻費用・扶養義務、⑤使用人の給料、⑥債権者名簿に記載しなかった債権、⑦罰金。これらは破産後も支払い続ける必要があります。

自由財産とは?

自己破産しても一定の財産は手元に残せます。破産法第34条3項により、99万円以下の現金は自由財産として保護されます。また生活必需品(衣類・家具・家電等)も差押え禁止財産として残せます。実務上は裁判所ごとの運用で、20万円以下の預貯金・解約返戻金のない保険等も自由財産として認められる傾向があります。

住宅資金特別条項とは?

個人再生の住宅資金特別条項(民事再生法第196条〜)を使えば、住宅ローンを再生計画の対象外として支払いを継続し、自宅を残したまま他の債務を圧縮できます。要件は、①居住用の住宅であること、②住宅に抵当権が設定されていること、③床面積の2分の1以上が居住用であること。保証会社が代位弁済した場合でも、6ヶ月以内の申立てで巻き戻しが可能です。

受任通知とは?

弁護士・司法書士に債務整理を依頼すると、受任通知が各債権者に送られます。貸金業法第21条1項9号により、受任通知を受け取った貸金業者は直接の取立て・督促が禁止されます。受任通知は通常、依頼から1〜3日で送付されるため、精神的な負担を早く軽減できます。ただし、訴訟や支払督促は受任通知で止まりません。

関連情報

このページは制度の一般的な情報をまとめたものです。個別の判断が必要な場合は、弁護士・税理士・社会保険労務士など各分野の専門家にご相談ください。手続き情報は e-Gov 法令検索・各省庁の公式サイトに基づいて作成し、根拠条文を併記しています。